定期購読 2018 5 20
書名 自動車会社が消える日
著者 井上 久男 文春新書
自動車の未来については、
多くの意見が出て、百花繚乱のような状況です。
たとえば、自動車がスマートフォンのようになってしまう。
確かに、最近の自動車は、ソフトウェアの塊のようになってきて、
コンピューターが、ドライバーの運転を支援するようになっています。
著者によると、ソフトウェアの量は、
プログラミング言語で記述された文字列の行数で示されるが、
ボーイングの「787」が、約800万行なのに対して、
自動車は、約1000万行もあると言われているという。
私が、書店で、自動車雑誌を読んだ時に、
「フェラーリ488」の記事がありました。
「488」は、最高出力が670psもあり、
最高速度が330km/h以上というモンスター自動車ですが、
昔のフェラーリに比べて、最新鋭のフェラーリは、
コンピューターによる電子制御によって、
ベテランドライバーでなくても、
運転できるようになったと書いてありました。
さて、自動車の未来は、どうなるのか。
私は、自動車を「定期購読」するようになると考えています。
レンタルDVDで、毎月、定額を払うと、
「借り放題」になるように、
自動車も、毎月、定額を払うと、「借り放題」になる。
つまり、毎日の通勤は、大衆車で、
週末は、スポーツカーを乗るというライフスタイルです。
自動車は、所有しないというライフスタイルです。
これは、自動車の利用形態の話になってしまいました。
自動車の製造形態は、どうなるか。
やはり、噂されているように、
電気自動車が主流になると、
異業種からの参入が活発になると思います。
自動車製造という市場に参入するには、
ガソリン・エンジンが大きな参入障壁になります。
しかし、電気自動車になると、
参入障壁は低くなるでしょう。
多くの人は、固定観念から、
電気自動車になっても、
モーターは、車体前部の中央に設置すると考えていますが、
モーターの構造を考えると、
駆動用のモーターは、タイヤの中に組み込むことが可能でしょう。
そうすると、タイヤを買ってくると、モーターもついてくる。
タイヤ・ショップでは、
「30馬力のタイヤ」や「50馬力のタイヤ」が売られるようになるかもしれません。
さて、パソコンは、1980年代においては、
NEC(日本電気)の独占状態でした。
ソフトウェアの問題やOS(基本ソフト)の問題、
さらに、部品の互換性の問題もあり、
パソコン市場に参入するには、大きな参入障壁がありました。
今は、「Windows」が動けば、
どんなパソコンでもよいということになり、
素人が、秋葉原で部品を集めてきて、
パソコンを「自作」できるようになりました。
さすがに、自動車は部品が大きいので、自作するわけにはいかないでしょう。